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多くのLinuxディストリビューションの中からCentOSを選ぶ理由

2016年10月06日
Linux
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当ブログはLinuxディストリビューションの一つであるCentOSでシステムを構築し動作させています。
CentOSの良い所、悪い所を確認し、どうしてCentOSを選択したのかをまとめておきたいと思います。

CentOSはRedHat社がRedHat Enterprise Linuxとしてリリースしているパッケージのソースパッケージ(SRPM)ファイルを有志(CentOS Project)がビルドし、ディストリビューションとしてまとめ直したものです。
基本的にRedHat社がビルドして正式にリリースしているRedHat Enterprise Linux(以降RHELと記します)と同じ機能を有しています。
CentOSはRHELのクローンと呼べるもので、互換OSです。

CentOSの性格を知る事はRHELの性格を知る事です。

RedHat社のRHELは名前にあるとおりエンタープライズ用途、企業の基幹業務用途に応える事を目的とした製品です。
このことから高い品質、高い信頼性が求められ、採用するソフトウェアは厳選された必要最小限の枯れたものが採用されています。
「枯れた」というのは、長い期間多人数によって使用されバグが出し尽くされてバグ(不具合)が枯れた、という意味です。
この為採用されるソフトウェアは少々古いバージョンの物になる傾向があります。

基本的に信頼性の高いソフトウェアを採用していますが、とは言え新たな不具合は見つかるものです。その都度アップデートパッケージがリリースされますが、RedHat社はこのアップデートパッケージを提供するサポート期間を非常に長く設定しています。

高い信頼性の為には、このOS上に構築されたシステムを問題なく動かし続ける事が出来る事が重要です。
この為採用したソフトウェアの仕様が変わる様なバージョンアップを、同一のメジャーバージョン内ではアップデートパッケージに含めない様にしています。
これにより、例えばRHEL7上に構築したシステムは、RHEL7.1、7.2…とマイナーバージョンが進んでいったとしても、ソフトウェアの互換性を気にすること無く安心して使用する事が出来ます。
RedHat社がリリースするアップデートパッケージは新機能を追加するのが主目的ではなく、現機能の品質向上が目的という事です。

と、RHELの特徴がだいたい解ったところで、CentOSの良い所、悪い所をまとめたいと思います。

良い所

  • 枯れたソフトウェアが採用され信頼性が高い。
  • 同一メジャーバージョン内でソフトウェアの互換性が保たれる。
  • 採用されているソフトウェアの開発元のサポート期間が過ぎたとしても、引き続きRedHat社がセキュリティフィックスを行ってくれる。
  • サポート期間が長い為、長い期間これらを享受できる。

悪い所

  • 採用されるソフトウェアのバージョンが少々古い。
  • 必要最小限のソフトウェアが採用される為、ソフトウェアの種類、数が少ない。

といったところでしょうか。

ディストリビューションの種類を大別すると、パッケージシステムの種類で分けられます。rpm(RedHat)系、deb(Debian)系、tgz(Slackware)系の3種類です。
Slackware系は昨今存在感が無くなってしまいました。
今人気なのはUbuntuを始めとしたDebian系でしょうか。Debian系のディストリビューションはオープンソースコミュニティによって非常に活発に開発され、先進的なものになっています。
RedHat系はRedHat社の目的ゆえ保守的なディストリビューションと言えると思います。

先進的なディストリビューションを使うのは楽しいものです。
しかし、今回は長期間に渡って、安心で、障害対応等で手間をかける事無く、楽ちん運用したい!というのが要件でしたので、CentOSを採用!という事に相成りました。

※ 企業などでより重要なサーバーを立てる場合は、サポート窓口も利用できるRedHat Enterprise Linuxの購入をお勧めします。

長期に渡ってブログを続けるぞ!という決意表明を何となくして終わりにしたいと思います。

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